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農・菊田准教授らのアブラムシ研究論文が国際学術誌で閲覧数上位に
-修士課程の学生が構築した手法から生まれた研究成果

 応用生物学野の菊田真吾准教授と農学研究科修士課程の学生(研究当時)が取り組んだ研究成果が、国際的な注目を集めています。アブラムシ1頭から得られるわずかな血リンパ(体液)を測定する手法を活用した論文が、国際学術誌「Archives of Insect Biochemistry and Physiology」に掲載された2024年の論文の閲覧数上位10%に入り、「Top Viewed Article 2025」に選出されました。この測定手法は研究当時農学研究科修士課程に在籍していた吉永真優さん、相馬尚実さんが構築したものです。

エンドウヒゲナガアブラムシ
菊田研究室のエンドウヒゲナガアブラムシ

 「Archives of Insect Biochemistry and Physiology」は学術出版社「Wiley」社が発行する昆虫の生化学、生理学、分子生物学を扱う学術誌で、「Top Viewed Article 2025」に選出されたのは、菊田准教授と吉永さん、相馬さんが執筆した論文「Postnatal Wing Morph of Pea Aphids Regulates Hemolymph Trehalose Levels(エンドウヒゲナガアブラムシの翅型は血リンパ中トレハロース濃度を調節する)」です。

 トレハロースは昆虫の飛翔や成長、生殖などを支える重要なエネルギー源です。本研究では、蛍光トレハロースセンサーを用いて、エンドウヒゲナガアブラムシ1頭ごとの血リンパ中に含まれるトレハロース濃度を測定しました。
 その結果、トレハロース濃度は発育に伴って増加すること、さらに、羽がある成虫(有翅型)は、羽がない成虫(無翅型)よりも有意に高い濃度を示すことが明らかになりました。また、トレハロースの合成や分解に関わる遺伝子を調べたところ、有翅型では飛翔に必要なエネルギー源として、トレハロースがより活発に合成されている可能性が示されました。
 これらの成果は、アブラムシの翅型多型とエネルギー代謝との関係を理解する手がかりになるものです。

 アブラムシ1頭から得られる血リンパはわずか数ナノリットル(1リットルの10億分の1)です。吉永さん、相馬さんが微量な血リンパに含まれるトレハロースを高い感度で測定する手法を構築したことから、この成果が生まれました。
 菊田准教授は「学生の努力によって得られた成果が国際的に評価されたことを大変うれしく思います」と話しています。

「Top Viewed Article 2025」の証明書
「Top Viewed Article 2025」の証明書

論文情報

  • タイトル:Postnatal Wing Morph of Pea Aphids Regulates Hemolymph Trehalose Levels
  • 著者:吉永 真優、相馬 尚実、菊田 真吾
  • 掲載誌:Archives of Insect Biochemistry and Physiology
  • 公開日:2024年10月10日
  • DOI:https://doi.org/10.1002/arch.22156

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